[Articles] Collateral-based selection for endovascular treatment of acute ischaemic stroke in the late window (MR CLEAN-LATE): 2-year follow-up of a phase 3, multicentre, open-label, randomised controlled trial in the Netherlands

脳卒中

急性虚血性脳卒中の遅延窓における血管内治療のための側副血流ベースの選択(MR CLEAN-LATE):オランダにおける第3相、多施設、非盲検、無作為化対照試験の2年間の追跡調査

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タイトル(英語)
Collateral-based selection for endovascular treatment of acute ischaemic stroke in the late window (MR CLEAN-LATE): 2-year follow-up of a phase 3, multicentre, open-label, randomised controlled trial in the Netherlands

タイトル(日本語)
急性虚血性脳卒中の遅延窓における血管内治療のための側副血流ベースの選択(MR CLEAN-LATE):オランダにおける第3相、多施設、非盲検、無作為化対照試験の2年間の追跡調査

ジャーナル名と発行年
The Lancet Neurology, 2024年9月号

最初と最後の著者
最初の著者: Ilse Huijberts
最後の著者: Robert J van Oostenbrugge

最初の所属機関
Department of Radiology and Nuclear Medicine, Maastricht University Medical Center+, Maastricht, Netherlands

要旨
MR CLEAN-LATE試験は、CTアンギオグラフィーで側副血流が確認された患者において、発症後6〜24時間の遅延窓での血管内治療の安全性と有効性を示しました。この研究では、無作為化後2年間の臨床結果を評価することを目的としました。試験はオランダの18の中枢神経疾患治療センターで実施されました。患者は、血管内治療群とベストメディカル治療群にランダムに割り当てられました。2年間の追跡調査の結果、血管内治療群は機能的な転帰が良好であり、全原因死亡率は低下しました。

背景
急性虚血性脳卒中の患者において、遅延窓(発症後6〜24時間)の血管内治療の長期的な効果は不明でした。本研究は、CTアンギオグラフィーで側副血流を基準に選択された患者に対して、2年間の追跡調査を行い、その臨床転帰を評価しました。

方法
MR CLEAN-LATEは、オランダの18のセンターで実施された第3相、多施設、非盲検、無作為化対照試験です。研究対象者は、発症後6〜24時間以内に血管内治療を受ける可能性のある18歳以上の急性虚血性脳卒中患者です。患者は、血管内治療群またはベストメディカル治療群に1対1で無作為に割り当てられました。

結果
血管内治療群の患者は、2年後にmRSスコアが4(IQR 2–6)、対照群では6(2–6)であり、血管内治療群でより良好な機能的転帰が認められました。全原因死亡率は、血管内治療群で34%、対照群で41%でした。

考察
遅延窓での血管内治療は、側副血流が確認された患者において、2年間にわたる良好な機能的転帰をもたらしました。これらの結果は、医療政策の開発や臨床意思決定において重要です。

新規性
本研究は、側副血流を基準に選択された患者における遅延窓での血管内治療の2年間の有効性を示した初めての研究です。

限界
この研究は、COVID-19パンデミックの影響や、対照群での追跡調査の欠損が多いことが限界として挙げられます。

潜在的応用
本研究の結果は、医療政策や臨床意思決定の改善に寄与する可能性があります。

CTアンギオグラフィーで側副血流の具体的な評価方法は?

CTアンギオグラフィーでの側副血流の評価方法は、以下のように行われます。

評価基準
側副血流の評価は、CTアンギオグラフィー画像を用いて、虚血性脳卒中の影響を受けた中大脳動脈領域における側副血流の程度を定量化する方法です。本研究では、次の基準を使用して側副血流を評価しています:

  1. グレード0: 側副血流が全く見られない。
  2. グレード1: 影響を受けた領域の50%以下に側副血流が見られるが、完全ではない。
  3. グレード2: 影響を受けた領域の50%以上に側副血流が見られるが、完全ではない。
  4. グレード3: 影響を受けた領域全体に完全な側副血流が見られる。

実施方法
CTアンギオグラフィーにより得られた画像で、側副血流がどの程度存在するかを観察し、上記のグレードに従って分類します。この評価は、CTアンギオグラフィー画像を使用し、虚血領域に血流を供給する側副血管の充填度に基づいて行われます。

この評価により、血管内治療の対象となる患者の選択が行われ、その後の治療効果の予測に役立てられます。

どのParameterで可視化していますか?

CTアンギオグラフィーで側副血流を評価する際には、以下のパラメータを基に可視化を行っています。

  1. 血管の充填度: 側副血流の評価は、虚血性脳卒中で閉塞された主要血管に対する側副血管の充填度を観察することで行われます。これは、血流がどの程度側副血管を通って影響を受けた領域に供給されているかを示します。
  2. 時間遅延(タイム・トゥ・ピーク: TTP): 造影剤が血管内に注入されてから、側副血流が虚血領域に到達するまでの時間を測定します。TTPが短いほど、側副血流が効果的に機能していることを示します。
  3. 血流速度と量(コントラスト強度): 造影剤の強度(つまりCT値)が、側副血管を通過する際にどの程度維持されるかを評価します。これにより、側副血管がどの程度有効に血流を供給しているかがわかります。
  4. 血管の範囲と充満度の分布: 画像内でどの程度の範囲で側副血流が確認できるかを評価します。これが「グレード0~3」の分類に使用される基準となり、影響を受けた領域の50%以上または未満といった評価に反映されます。

これらのパラメータを用いて、CTアンギオグラフィー画像で側副血流の程度を定量的に評価し、治療方針の決定に役立てています。

本研究のInclusion criteria(選択基準)は?

本研究のInclusion criteria(選択基準)は以下の通りです:

  1. 年齢: 18歳以上。
  2. 疾患: 急性虚血性脳卒中による大血管閉塞が原因。
  3. 発症時間: 症状発現から6〜24時間以内、または最後に正常であった時間から24時間以内に血管内治療が開始できること。
  4. 側副血流: CTアンギオグラフィーにおいて、影響を受けた中大脳動脈領域で少なくとも一部の側副血流が確認されていること。

この基準に基づいて、患者が本研究に登録され、治療を受けるかどうかが決定されました。

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