EXODUSは、細胞外小胞(EVs)を分離し精製するための装置です。
この装置は、振動モーターを使用して異なる流体レベルで音響流を生成します。
音響流とは、音波が流体中を伝播する際に生じる流れのことを指します。これは、音波の圧力変動が流体の粒子を移動させ、結果としてマクロスコピックな流れが生じる現象です。この流れは、微細な粒子や細胞を移動させるのに利用されることがあります。
この装置では、低周波数（200Hz）で大きな変位振幅を提供することにより、カートリッジと膜から横波を生成します。これにより、液体中に音響流が発生し、粒子の凝集や表面結合を大幅に減少させ、処理効率を大幅に向上させます。つまり、膜が音波で振動することで、膜が詰まることを防いで、効率より回収ができる仕組みとなっています。
カートリッジの膜の孔径を調整して、異なる大きさのEV（extracellular vesicles、細胞外小胞）を特定することができます。具体的には、20-100nm、100-200nm、200-450nmの3つの範囲のEVを識別することができました。これにより、特定の大きさのEV、例えばsmall EV（小型の細胞外小胞）を抽出することが可能です。
EXODUSは他の回収法と比較して以下のような優れた点があります：
- 効率的な処理時間：EXODUSは他の方法と比較してサンプルの処理時間が短いです。20分弱で自動でエクソソームを抽出してくれます。
- 高い粒子回収率：EXODUSは、PEG法や膜親和性法と比較して、より多くの粒子を回収することができます。下の図参照
- 優れた安定性と再現性：EXODUSは、異なる濃度のエクソソームサンプルを連続的な体積で処理することができ、その結果は高い直線性を示します。これはEXODUSの優れた安定性と広い動的範囲を示しています。
- 異なるバイオフルイドの処理能力：EXODUSは、異様々な体液を処理する能力があります。検体に合わせてたカートリッジも開発されているようです。血漿用とか。
- EVサブタイプの特定：EXODUSは、膜の孔径を調整することで、異なる大きさのEVを特定することができます。
Exosome detection via the ultrafast-isolation system: EXODUS - Nature Methods
EXODUS is a high-speed isolation method for the enrichment of exosome from biological fluids with high purity and yield.
www.nature.com
実際に使用している研究者に話を聞いたところ、
唾液のような少量サンプルでも、確実にEVを回収できる。
大量のMediaから、EVを回収するのが得意。
と言った意見でした。
必ず、EV臨床化において、EV抽出の自動化は必要とされる技術です。これからも、この分野の発展が楽しみですね。
Exodusを開発した研究者と。
