Lipid-associated macrophages for osimertinib resistance and leptomeningeal metastases in NSCLC

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NSCLCにおけるオシメルチニブ耐性および髄膜播種に関連する脂質関連マクロファージ

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Lipid-associated macrophages for osimertinib resistance and leptomeningeal metastases in NSCLC
NSCLCにおけるオシメルチニブ耐性および髄膜播種に関連する脂質関連マクロファージ

ジャーナル名 & 発行年
Cell Reports, 2024年

第一および最後の著者
Yang-Si Li, Yi-Long Wu

最初の所属機関
Guangdong Lung Cancer Institute, Guangdong Provincial People’s Hospital (Guangdong Academy of Medical Sciences), Southern Medical University, Guangzhou, China

要旨
非小細胞肺癌(NSCLC)におけるオシメルチニブ耐性および髄膜播種(LM)に関連する脂質関連マクロファージの役割を明らかにするために、脳脊髄液(CSF)からのシングルセルRNAシークエンシングが実施された。LMにおいて、免疫抑制的な性質を持つマクロファージの異種性が確認され、特定の脂質関連マクロファージ(RNASE1_M)がオシメルチニブ耐性およびLMの発展に関与していることが示された。

背景
NSCLCにおける髄膜播種は、オシメルチニブ耐性の後に特に顕著であり、これに対する治療オプションは限られている。特に免疫逃避がオシメルチニブ耐性の要因と考えられるが、これに関する詳細なメカニズムは不明のままである。

方法
EGFR変異を有するNSCLC患者からの脳脊髄液を用いて、シングルセルRNAシークエンシングが実施された。この研究には、進行性疾患の患者と未治療患者が含まれており、細胞クラスターの特性評価と機能解析が行われた。

結果
研究により、LMの患者において脂質関連マクロファージが増加していることが確認され、特にRNASE1_Mサブタイプがオシメルチニブ耐性と関連していることが明らかになった。また、MDK(Midkine)タンパク質がこれらのマクロファージの極性化を誘導することが示された。

ディスカッション
この研究は、NSCLC患者の髄膜播種における免疫環境を包括的に理解することを可能にし、特にオシメルチニブ耐性に関連するマクロファージの役割を明らかにした。これにより、新たな治療ターゲットの可能性が示唆される。

従来の研究と比較した新規性
髄膜播種における脂質関連マクロファージの特定と、それがオシメルチニブ耐性と関連することを示した点で新規性がある。また、MDKタンパク質の役割を新たに特定した。

限界
本研究のサンプル数が少ないこと、脳脊髄液のサンプルに限られた点で限界がある。これに対処するため、既存データの統合や独立したコホートでの検証が行われた。

潜在的応用
この研究で特定されたRNASE1_MサブタイプやMDKタンパク質は、将来的な治療ターゲットや予後マーカーとして応用可能である。

オシメルチニブとは?

オシメルチニブ(Osimertinib)は、主に非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に使用される第三世代のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)です。特に、EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失やL858R変異など)を持つ肺癌に対して効果的であり、さらに、第一世代や第二世代のTKIに対する耐性を示すT790M変異を持つ腫瘍にも有効です。

オシメルチニブは、EGFRの変異型チロシンキナーゼドメインに結合し、その活性を阻害することで、癌細胞の増殖を抑制します。また、脳血液関門を通過する能力があり、中枢神経系への転移(髄膜播種や脳転移)の治療にも使用されることがあります。オシメルチニブは、特に進行または転移性のEGFR変異陽性NSCLC患者に対して標準治療として広く用いられています。

脂質関連マクロファージ(RNASE1_M)とは?

脂質関連マクロファージ(RNASE1_M)は、特定の脂質代謝関連遺伝子を高発現するマクロファージのサブタイプで、特にオシメルチニブ耐性および非小細胞肺癌(NSCLC)の髄膜播種(LM)の進展に関連しています。このマクロファージは、免疫抑制的な性質を持ち、腫瘍微小環境での免疫逃避を助長する役割を果たします。

RNASE1_Mマクロファージは、脂質代謝に関与する遺伝子(例えば、APOEやPLA2G7)や、コラーゲン分解や低酸素応答に関連する遺伝子を高発現しています。これにより、腫瘍の成長を助長し、オシメルチニブのようなEGFRチロシンキナーゼ阻害薬に対する抵抗性を高めると考えられています。

また、RNASE1_Mマクロファージは、腫瘍細胞から分泌されるMDK(Midkine)というタンパク質によってその極性が誘導されることが示されており、この相互作用が免疫抑制環境の形成に寄与しています。したがって、RNASE1_Mマクロファージは、新しい治療ターゲットとしての可能性が注目されています。

脂質関連マクロファージを包括的に説明

脂質関連マクロファージ(Lipid-associated macrophages、LAM)は、脂質の代謝と密接に関連した特殊なマクロファージの一群で、腫瘍や慢性炎症、代謝疾患など、さまざまな病理的環境で重要な役割を果たします。これらのマクロファージは、主に脂肪組織や脂質が豊富な環境に存在し、脂質の取り込み、代謝、貯蔵に関与しています。

特徴

  1. 遺伝子発現プロファイル: LAMは、脂質代謝に関連する遺伝子を高発現しています。これには、アポリポプロテインE(APOE)、脂肪酸結合タンパク質(FABP)、グリコシル化プロテイン(LGALS3)、およびホスホリパーゼ(PLA2G7)などが含まれます。
  2. 機能:
    • 脂質取り込みと貯蔵: LAMは、血清中の脂質を取り込み、それを内部に蓄積する能力を持っています。このため、脂肪組織や動脈硬化プラーク、腫瘍微小環境など、脂質が豊富な場所において特に活性が高いです。
    • 免疫調節: LAMはしばしば免疫抑制的な性質を持ち、腫瘍微小環境では、腫瘍細胞の免疫逃避を助長する役割を果たします。
  3. 病理的役割:
    • 腫瘍微小環境: 腫瘍内のLAMは、腫瘍の成長と進行を促進する役割を持ち、特に免疫抑制的な機能を発揮して腫瘍細胞の免疫監視からの逃避を助けます。たとえば、EGFR変異を持つ非小細胞肺癌(NSCLC)において、LAMはオシメルチニブ耐性の獲得に寄与していることが報告されています。
    • 動脈硬化: 動脈硬化プラーク中のLAMは、プラークの形成と安定性に影響を与え、心血管疾患のリスクに関与しています。
    • 肥満と代謝疾患: LAMは肥満組織において、炎症性サイトカインの分泌を調節し、インスリン抵抗性や糖尿病の発症に関与します。
  4. 調節因子: LAMは、腫瘍細胞や他の周囲の細胞から分泌される因子によってその機能と表現型が調節されます。たとえば、Midkine(MDK)などの成長因子がLAMの極性化を誘導し、腫瘍の免疫逃避を助長することが示されています。

潜在的治療ターゲットとしての重要性

LAMは、腫瘍微小環境や慢性炎症の調節において重要な役割を果たすため、これらのマクロファージをターゲットにした新しい治療戦略が研究されています。特に、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせてLAMの活性を制御することで、腫瘍に対する免疫応答を強化する可能性があると期待されています。

LAMの包括的な理解は、がん治療や慢性疾患管理における新しい治療法の開発に寄与する可能性があります。

LAMと神経再生の関連は?

脂質関連マクロファージ(LAM)と神経再生の関連は、最近の研究で注目されている分野です。LAMは、脂質代謝に関与するマクロファージであり、主に腫瘍微小環境や慢性炎症の調節に関与していますが、神経系においても重要な役割を果たす可能性があります。

LAMと神経再生の関連性

  1. 神経系の脂質代謝とLAM: 神経組織は、特に中枢神経系(CNS)において、脂質が豊富であり、脂質代謝は神経細胞の機能や健康維持に不可欠です。LAMは、この脂質代謝の調節に関与し、神経の再生過程に影響を与える可能性があります。たとえば、LAMは神経細胞の周囲で脂質の取り込みや処理を行い、神経細胞の再生や修復に必要なエネルギーや構成要素を供給することが考えられます。
  2. 炎症と神経再生: 神経損傷後の炎症反応は、再生過程において二重の役割を果たします。一方で、過度の炎症は神経再生を妨げますが、適度な炎症は損傷部位のクリアランスや再生プロセスを促進します。LAMは、抗炎症性のマクロファージとして作用し、炎症反応を制御しながら神経再生を支援する可能性があります。
  3. LAMによる支持細胞の調節: 中枢神経系では、マクロファージはミクログリアやアストロサイトと相互作用し、神経再生に必要な環境を整える役割を果たします。LAMはこれらの支持細胞に影響を与え、神経細胞の再生を直接的または間接的に促進することができます。
  4. 臨床的意義と研究の進展: LAMと神経再生の関連性は、まだ発展途上の研究分野ですが、将来的には神経損傷後の治療や神経変性疾患の治療において、LAMをターゲットにした新しい治療法の開発が期待されています。特に、LAMが神経再生をどのように促進するか、または阻害するかを理解することで、より効果的な治療戦略を立案するための基盤が提供される可能性があります。

LAMは、脂質代謝に関与するだけでなく、神経再生過程においても重要な役割を果たす可能性があり、神経損傷後の再生や修復を促進するメカニズムにおいて重要な調節因子となり得ます。今後の研究によって、LAMと神経再生の具体的な関連性や、これを利用した治療法の可能性がさらに明らかにされることが期待されます。

M2マクロファージとの関連は?

脂質関連マクロファージ(LAM)は、M2マクロファージと深く関連しています。M2マクロファージは、抗炎症性のマクロファージとして知られ、組織修復や免疫抑制、腫瘍の進展に関与する一方で、LAMも同様に免疫抑制的な性質を持ち、脂質代謝に特化した特徴を持つサブタイプとして位置づけられます。

M2マクロファージとLAMの関連

  1. 極性と機能: M2マクロファージは、炎症抑制や組織修復を促進する「代替活性化」状態にあり、抗炎症性サイトカイン(IL-10、TGF-βなど)を分泌します。LAMも、M2マクロファージと同様に抗炎症的な役割を持ち、特に脂質の取り込みや代謝に関与します。これらのマクロファージは、腫瘍微小環境や慢性炎症の場で免疫抑制的な作用を発揮し、腫瘍の成長や進行を助けることがあります。
  2. 遺伝子発現の類似性: LAMとM2マクロファージは、共通の遺伝子発現プロファイルを持つことが多いです。たとえば、M2マクロファージのマーカーであるCD206(MRC1)やCD163が、LAMでも高発現していることがあります。これにより、LAMがM2マクロファージのサブセットであることが示唆されます。
  3. 脂質代謝との関係: M2マクロファージは、脂質代謝と密接に関係しています。脂質代謝が活発な環境では、M2マクロファージがLAMへと分化しやすくなり、特に脂質代謝関連遺伝子(APOE、FABP5など)の発現が強化されます。これにより、LAMは脂質代謝を通じて腫瘍や炎症性疾患の進展に寄与します。
  4. 腫瘍微小環境での役割: M2マクロファージは、腫瘍微小環境において腫瘍の免疫逃避を助長する役割を果たし、腫瘍進展を促進します。同様に、LAMも腫瘍微小環境で免疫抑制的な作用を持ち、腫瘍細胞が免疫系から逃れるのを助ける役割を果たします。特に、EGFR変異を持つ非小細胞肺癌(NSCLC)のオシメルチニブ耐性に関連して、LAMがM2マクロファージの特性を持つことで、治療抵抗性を助長することが示されています。

LAMは、M2マクロファージのサブタイプまたはその一部として分類されることが多く、両者は免疫抑制、組織修復、脂質代謝に関与する点で強く関連しています。特に腫瘍や慢性炎症の環境では、M2マクロファージがLAMへと分化し、脂質代謝を介して免疫抑制的な環境を形成し、疾患の進行に寄与することが理解されています。

M2とLAMの違いは?

M2マクロファージと脂質関連マクロファージ(LAM)は、共に免疫抑制的な役割を果たすマクロファージのサブタイプですが、いくつかの点で異なります。以下に、主な違いを示します。

1. 定義と特性

  • M2マクロファージ:
    • 定義: M2マクロファージは、抗炎症性および組織修復に関与する「代替活性化」マクロファージであり、免疫抑制的な環境を作り出します。
    • 特性: IL-10やTGF-βなどの抗炎症性サイトカインを分泌し、炎症を抑制し、組織の修復や再生を促進します。また、寄生虫感染や創傷治癒、腫瘍進展に関与することが知られています。
  • 脂質関連マクロファージ(LAM):
    • 定義: LAMは、特に脂質代謝に関連した特徴を持つマクロファージのサブタイプであり、脂肪組織や腫瘍微小環境など脂質が豊富な環境で活性化されます。
    • 特性: 脂質の取り込みと貯蔵に特化しており、脂質代謝関連遺伝子(APOE、FABP、PLA2G7など)を高発現します。主に腫瘍微小環境で免疫抑制的な役割を果たし、腫瘍の進展や治療抵抗性に関与します。

2. 遺伝子発現と機能

  • M2マクロファージ:
    • 遺伝子発現: M2マクロファージは、CD206(MRC1)、CD163、Arginase-1(ARG1)などの遺伝子を高発現します。
    • 機能: 組織修復、創傷治癒、寄生虫除去、腫瘍の免疫逃避促進に関与します。一般に、炎症の解決や慢性炎症の制御に関与しています。
  • LAM:
    • 遺伝子発現: LAMは、APOE、FABP、LGALS3、PLA2G7などの脂質代謝関連遺伝子を高発現します。
    • 機能: 脂質代謝に特化しており、脂質の取り込み、蓄積、代謝に関与します。特に、腫瘍の成長や治療抵抗性に関連する役割を果たします。

3. 組織分布と環境

  • M2マクロファージ:
    • 組織分布: 体内のさまざまな組織で見られ、特に創傷部位、寄生虫感染部位、慢性炎症部位などで活性化されます。
    • 環境: 炎症後の修復過程や慢性炎症環境で活性化されることが多いです。
  • LAM:
    • 組織分布: 主に脂肪組織や脂質が豊富な環境、または腫瘍微小環境に存在します。
    • 環境: 腫瘍微小環境や動脈硬化プラーク、肥満組織など、脂質代謝が重要な役割を果たす環境で活性化されます。

4. 臨床的意義

  • M2マクロファージ:
    • 臨床的意義: M2マクロファージは、創傷治癒や組織修復を促進する一方で、腫瘍の免疫逃避を助け、治療抵抗性を促進する可能性があります。
  • LAM:
    • 臨床的意義: LAMは、特に腫瘍微小環境において腫瘍の成長や治療抵抗性を強化する役割を果たし、脂質代謝が関連する疾患(動脈硬化、肥満、がんなど)で重要です。治療ターゲットとしてのLAMの可能性が研究されています。

M2マクロファージとLAMは、共に免疫抑制的な性質を持ちますが、LAMは特に脂質代謝に特化している点で異なります。M2マクロファージはより広範な免疫調節機能を持ち、さまざまな病理的状況において役割を果たすのに対し、LAMは脂質代謝や腫瘍環境に特化した役割を持ちます。これらの違いを理解することは、疾患の病態理解や新たな治療法の開発において重要です。

どのようなシングルセル解析が行われていますか?

シングルセル解析は、個々の細胞の遺伝子発現プロファイルを解析する手法であり、特に異質性の高い細胞集団の理解に役立ちます。文献で言及されているシングルセル解析に関して、以下のような手法が使用されています。

1. シングルセルRNAシークエンシング(scRNA-seq)

  • 目的: シングルセルレベルでの遺伝子発現プロファイルを解析することで、細胞集団内の異質性を評価し、特定の細胞サブタイプやそれらの機能的特徴を明らかにするために行われています。
  • 対象: 脳脊髄液(CSF)に含まれるEGFR変異を持つ非小細胞肺癌(NSCLC)の患者から得られた細胞。
  • 解析手順:
    • 細胞の分離と単一細胞レベルでのRNAシークエンシングを行い、各細胞の遺伝子発現データを取得。
    • 取得したデータをもとに、t-SNE(t-distributed stochastic neighbor embedding)やUMAP(Uniform Manifold Approximation and Projection)といった次元削減技術を使用して細胞集団のクラスタリングを実施。
    • 各クラスターに対して、特定のマーカー遺伝子の発現を基に細胞のタイプを同定。

2. 細胞クラスターの特性評価

  • クラスターの同定:
    • 得られた細胞群をT細胞、B細胞、マクロファージ、単球、樹状細胞(DCs)、および上皮細胞などに分類し、さらにこれらの細胞内での細分化されたサブタイプ(例:RNASE1_M、LYVE1_FOLR2_Mなど)を同定。
  • 機能的スコアリング:
    • 各細胞クラスターの機能的特性(例:抗原提示、貪食、血管新生など)を評価し、それぞれのクラスターの役割を明らかにする。

3. 発現経路解析と軌道解析

  • 目的: マクロファージの発展軌道を追跡し、オシメルチニブ耐性に関連するサブタイプ(RNASE1_Mなど)の形成過程を理解するために行われています。
  • 手法:
    • 細胞の発展軌道を示す樹形図を作成し、各細胞がどのような経路をたどるかを視覚化。
    • 特定の遺伝子発現が軌道に沿ってどのように変化するかを解析し、耐性に関連する遺伝子や経路を特定。

4. 細胞間相互作用の解析

  • 目的: マクロファージと他の細胞(例えば、腫瘍細胞やT細胞)との間でどのような相互作用が行われているかを明らかにするため。
  • 手法:
    • CellPhoneDBなどのツールを使用して、細胞間のリガンド-レセプター相互作用を予測。
    • 具体的な相互作用(例:CD47-SIRPA経路)を解析し、それが腫瘍の免疫逃避や治療抵抗性にどのように寄与するかを評価。

5. サブタイプ特異的な遺伝子発現と調節因子の特定

  • 目的: 特定のマクロファージサブタイプ(例:RNASE1_M)に特徴的な遺伝子発現プロファイルを特定し、それを制御する調節因子を明らかにする。
  • 手法:
    • サブタイプごとに差異が見られる遺伝子を同定し、その生物学的機能や関与する経路を解析。
    • さらに、転写因子の調節ネットワークを構築し、どの転写因子が特定のサブタイプで重要な役割を果たしているかを明らかにする。

この研究では、シングルセルRNAシークエンシングを中心とした多様な解析手法が使用されており、非小細胞肺癌の脳脊髄液におけるマクロファージの異質性や、治療抵抗性に関与するメカニズムが包括的に解析されています。これにより、個々の細胞レベルでの詳細な理解が進み、新しい治療ターゲットの発見につながることが期待されています。

機器は何を使用していますか?

この研究では、シングルセルRNAシークエンシング(scRNA-seq)を行うために以下の機器やソフトウェアが使用されています:

機器

  • BD Rhapsody Single-Cell Analysis System (BD, USA): シングルセルライブラリーの準備に使用されました。
  • Illumina NextSeq Platform: シーケンシングに使用されました。
  • NanoDrop 2000 Spectrophotometer (Thermo Fisher Scientific): RNA濃度の定量に使用されました。
  • CFX96 Touch Real-Time PCR Detection System (Bio-RAD): リアルタイムPCRに使用されました。

ソフトウェア

  • fastp: アダプター配列のフィルタリングと低品質リードの除去に使用。
  • UMI-tools: シングルセルトランスクリプトーム解析に使用。
  • STAR: ヒトゲノムへのマッピングに使用。
  • Seurat: 正規化とクラスタリングに使用。
  • Monocle 2.0: マクロファージの発展軌道再構築に使用。
  • SCENIC: 転写因子の調節ネットワーク解析に使用。

これらの機器とソフトウェアが連携して、シングルセルレベルでの詳細な遺伝子発現解析を行い、研究の目的であるオシメルチニブ耐性や髄膜播種に関連するマクロファージサブタイプの特定が行われました​。

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